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 一流棋士の打ち盛りの年齢はどうなっているのだろう。

 「50を過ぎてから強くなった」と豪語した藤沢秀行名誉棋聖の棋聖6連覇が始まったのは51歳。坂田栄男二十三世本因坊の本因坊7連覇は41歳から。両巨頭は例外としても、躍進の10代後半から20代、実り豊かな30代というのが一般的だ。

 42歳の柳時熏の場合はかなりことなる。天元4期の実績を持つ20代は躍進一途。王座獲得や本因坊挑戦、連続7期在籍した名人戦リーグではしばしば挑戦権争いを演じた。ところが棋聖に挑戦した30歳あたりを境に相ついでリーグから落ちた。最近、棋聖戦リーグには3期名を連ねたものの、20代に比べれば休んでいたに等しい。

 つまり空白に近い10年間だったのである。しかしものは考えようだ。空白の分だけ棋士生命が長くなり、第二の打ち盛りを迎えるかもしれない。11期ぶりの名人戦リーグは今後の柳を占うにふさわしい舞台と思う。

 黒番なら5のカカリ一本で7と高い中国流に構えるのが柳得意の布陣。ハサミと割り打ちを兼ねた白8には黒9からツメ、右下一帯のふくらみで勝負するつもりだ。

 白20まで、双方不安を残しながらも、碁盤の下半分は小休止。上辺白22とハサまれ、柳は「あー、さっぱり分からない」とつぶやきながら長考に沈んだ。

(春秋子)

 消費 黒:50分 白:18分 (持時間各5時間)

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