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 リーグ開幕から3連敗していた村川が、前ラウンドでやっと白星をあげた。他棋戦を見る限りは調子も内容も悪くなさそうなのに、名人戦ではなぜか勝ちに結びつかなかった。

 ひとつ勝ってほっとしている場合ではないことは、本人も十分承知だろう。残留に向けて、さあ、大事なのはこれからだ。

 相手は難敵、河野だ。村川は入段以来、河野に歯が立たず7連敗を喫した。昨年9月の棋聖戦リーグが初勝利で通算1勝7敗。河野33歳、村川23歳。年齢差があると、はじめは先輩の勝率がいいというのはよくあることなのだが、10代の頃から評価の高かった村川だけに、この差は意外だ。本人は苦手意識を持っているだろうか。

 5月8日、日本棋院東京本院。黒番の河野は黒3の小目から5とシマった。さらに黒7とハサんで19まで、下辺から右辺一帯に模様を築く。スケールの大きな構想だ。河野はどちらかといえばバランスを考えながら打つタイプ。「黒が村川さんのような布石ですね」と解説の林漢傑七段。

 白はどこから手をつけるのか。村川はノータイムで白20へ。白22、24と右辺を荒らし、32で連絡した。「白は右辺を削ったことに満足。黒の対応も悪いわけではなく、まずまずの分かれです。下辺が焦点になりました」と林解説者。白34と打ち込み、昼の休憩に入った。

(内藤由起子)

 消費 黒:45分 白:54分 (持時間各5時間)

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