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 7月10日、関西棋院。台風8号の影響で大阪は朝から生暖かい風が吹いていた。台風については「過去最強クラス」「かつて経験したことのない勢力」などと報道されていた。

 かつてないといえばここ数年にわたる名人戦リーグでの関西棋院棋士の活躍だ。前期は坂井秀至、結城、村川が同時に在籍した。

 リーグに入れば目標は挑戦権、そしてタイトル奪取だ。しかし、そのラインには手が届いていない。逆に今期は関西棋院勢消滅の危機にある。早碁は、NHK杯優勝などで"過去最強クラス"の成績を残している結城が、なぜか持ち時間の長いリーグでは勝てない。村川も勝ち運に恵まれず両者1勝5敗。この碁に負けたほうのリーグ落ちが確定する、いわば同士打ちだ。

 双方、小刻みに時間を使いながらの序盤。村川が左上に白18とツケたところで結城の手が止まる。ここはおもしろいところで、黒19、白20を換わったあと、東西の棋士にちょっとした違いが現れるとか。

 「私たち東京の棋士はかなりの割合で黒Aとサガりますが、関西では黒21の堅ツギもよく打たれています。初めて見た時は、こんな手もあるのかと驚いたほどです」と解説の溝上知親八段。

 白18のツケから最初の接触戦が始まったように、この碁は「ツケ」がキーワードになる。

(松浦孝仁)

 消費 黒:57分 白:15分 (持時間各5時間)

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