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 河野臨挑戦者に確認したいことがあった。初めての七番勝負の感触だ。一番新鮮に感じたのはやはり8時間の長い持ち時間という。いまや囲碁界の主流は持ち時間3時間で、名人戦リーグのような5時間も少ない。

 「いつもは割り切るしかない場面でも腰を据えて考えることができる。これは本当に幸せです。世界戦にも一つくらい2日制が欲しいなあ(笑い)」

 「七番勝負の鬼」といわれたのは趙治勲二十五世本因坊。現在、その座にいるのは井山裕太名人だろう。その名人は常々「2日制七番勝負は自分が成長できる格好の舞台」と語っている。

 第1、2局は殴り合いのような内容で両者残り1分に。水面下の攻防が激しかった第3局も最後は優勢な挑戦者が十数分を余しただけ。持ち時間8時間はちょうどいい。いや、もっと増やしたくなる。

 挑戦者が一歩リードして迎えた第4局。前夜祭に集まった多くのファンはこの碁の重要性を理解している。あちこちで「天王山」、「急所」などの単語が飛び交っていた。

 10月6日午前9時、立会人の坂口隆三九段が開始を告げ、静かに第4局は始まった。

 黒1、3、5は以前挑戦者が愛用していた布陣。名人が拝借した格好だ。白は6から10と高く二間にヒラくのが多い。ここまでは検討室も静かだったのだが。

(松浦孝仁)

 消費 黒:8分 白:8分 (持時間各8時間)

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