[PR]

 2014年の高尾はタイトル戦線を大いににぎわせた。4月に十段を獲得し、年末には天元も奪取。二冠を持つ立場となり、自身のブログでは「記念すべき年」と振り返っている。12月25日、日本棋院本院「幽玄の間」にその高尾が姿を現した。本局は天元となっての初手合だ。

 高尾が盤上を拭き終わると、山下が入室し上座に着いた。定刻まで、山下はいつも通りに目を閉じて待ったが、みけんにしわを寄せ、厳しい表情だ。

 山下のこの一年は、不本意だったと思う。挑戦権を得た棋聖戦ではタイトル奪還ならず。本因坊戦、名人戦はともに全勝でリーグ戦首位を走っていたのに、終盤に失速。プレーオフに持ち込まれて敗退する悪夢を繰り返した。新しいリーグを迎え、気持ちをどう立て直してくるか。リーグ初戦に注目した。

 白番の山下は8のカカリから12と右辺を占める。黒が13とハサんだところから競り合いが始まった。

 白は18と下辺の黒に迫る。黒23に白24と構えたのは自然に見えるが、ここが最初の分かれ目だった。「白Aと左辺に向かうのもあります。足早なタイプはこう打つでしょう」と解説の金秀俊八段。山下はあくまで黒への攻めを強調した。24が働くかどうかが今後のポイントの一つとなる。

 黒が25と打ち込んで、昼休みとなった。

(内藤由起子)

 消費 黒:40分 白:46分 (持時間各5時間)

[ 次の譜へ ]