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 名人戦リーグはどこを切り取っても好カード。それは重々承知しているが、この2人の顔合わせは豪華と言うほかない。ともに今が「旬」だ。

 山下は井山裕太棋聖に挑戦中。七番勝負で井山を破ったことのある数少ない棋士だ。村川は昨年末、六冠王だった井山から王座のタイトルを奪い、七冠独占へ突き進む井山に待ったをかけた。井山一強時代が続くのか、それとも群雄割拠の時代に移行するのか。それはこの両対局者にかかっていると言っても大げさではないだろう。

 互いに小目と星の配置から1カ所ずつをシマった序盤戦。その黒7のシマリは昔の非常識、現代の常識だ。

 「以前は、白が割り打ってこなかった右辺を黒8と構えるのが当たり前でした。白8の割り打ちも現代の感覚。黒9と換わって任務完了と見ています。白が10に回り、勢力対勢力の図式に。山下さん好みの進行でしょう」と解説の片岡聡九段。

 白8が低い三線のAなら黒9またはBのツメに対し反対側にヒラくことになる。これは局面が細分化され、局地戦に終始する可能性が高くなる。剛腕で知られる山下なら実戦の進行こそふさわしい。

 左下黒11、13の両ガカリから白22まではアマチュアにも浸透している定石だ。ノータイムで打たれた黒23のツケは、定石とは少し違う。ここから一気に激しくなる。

(松浦孝仁)

 消費 黒:23分 白:21分 (持時間各5時間)

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