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 東京に一片の雲もない青空が広がった1月8日は、多くの棋士の打ち初めだった。昨年の好不調にかかわらず、いったんリセットして「今年も」あるいは「今年こそ」と決意を新たにする日だ。

 「今年も」の代表が高尾だろう。昨年は春に十段を、暮れに天元を奪取して、堂々の二冠。とくに天元戦は天敵ともいえる井山を破ったのだから、自信となったのではないか。ただし名人戦、棋聖戦、本因坊戦のリーグの成績はもの足りなかった。こちらは「今年こそ」である。

 最多勝(50勝)と最多対局(76局)に輝いた河野も本来なら「今年も」組だが、打倒井山がならず、名人戦挑戦手合の後半から10連敗と失速したことを考えると、「今年こそ」組かもしれない。

 それぞれの思いを胸に秘めた新春第一局。最近では珍しい黒11の大斜ガケが現れ、一層新鮮な印象を受ける。古碁に詳しい福井正明九段によると、棋譜に残る最初の大斜は310年前、五世本因坊道知によって打たれたとか。当時の道知は数え16歳。早熟の天才としかいいようがない。以後江戸後期、明治時代と大斜全盛だったのはご存じのとおりだ。

 黒23に続いて白Aとトビ、黒B、白C、黒Dあるいはその上、白Eとなるのが大斜の基本定石だが、黒Fと技をかけられるおそれがある。そこで高尾は白24。

(春秋子)

 消費 黒:10分 白:20分 (持時間各5時間)

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