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 既報のとおり、棋聖戦七番勝負は井山裕太棋聖が3連勝のあと、山下敬吾挑戦者に3連敗を喫して追い込まれたものの、最終局を制してタイトル3連覇をなしとげた。

 「今期は厳しいかなと思った」と井山にいわせた山下は強い。名人戦でも有力な挑戦者候補だ。もう一人、張栩も候補からはずすわけにはいかない。序盤の3ラウンドを終えて早くも全勝が消えた。両者とも1敗をキープすればトップ集団に加わる。中盤に入ったリーグの大一番である。

 3月5日、山下が棋聖戦で3連敗後に2勝を返した翌週の対局。黒1の小目に、張はノータイムで白2の二間高ガカリ。白4のツケもノータイムだったので、用意した作戦と見ていいだろう。張の序盤はいつも工夫がいっぱいで楽しい。いきなり前例のない進行になるからだ。

 黒は下辺に高い中国流の陣。白は8、10と左辺を構え、確かに前例は思い当たらない。ここまでを見届け、記者は対局室を出て、記者室でネット観戦を決め込んだ。花粉症ゆえにくしゃみなどで対局者に迷惑が掛かってはいけない。

 「黒11は13の大ゲイマガカリも有力。黒11なら白は12、14です。白16と、ヒラキとハサミを兼ねるのはほぼ絶対でしょう」と、解説役の秋山次郎九段。

 黒19、横っ面を張ったような山下の戦闘宣言だった。

(春秋子)

 消費 黒:29分 白:16分 (持時間各5時間)

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