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 3月12日、関西棋院「吉祥の間」。先番の村川は対局室に入るなり、さっと下座に着いた。姿勢を正して、盤を見つめながら定刻を待つその姿から、布石の準備はできている、という雰囲気が伝わってきた。

 「ふだんの対局は事前に布石を決めませんが、リーグは手番がわかっていますから」と村川。黒1、3、5は予定通りの布陣だ。

 蘇の白8に注目。カカリといえるかどうかも悩ましい。星に対して五線から大ゲイマに臨むこの一手は、前期リーグで張栩九段が試みていた。

 蘇も黒番のときは話題の「ブラックホール布石」を目指してこの位置に打つが、白番ででは初めてという。

 「蘇さん得意の五線ですが、白番だからやってこないかと。あまり研究していませんでした」という村川は、白8に相手はせずノータイムで黒9と左上へカカる。何か受けてもらえると思っていた蘇にとっては注文を外された結果になった。

 以下黒13まで、蘇は白がいま一つと感じたようだ。12で白13と打てればいいが、黒A、白B、黒C、白D、黒Eで黒が戦えるという。

 白14のコスミツケから稼いだのはどうだったか。「23まで、黒を固めたマイナスが大きく見えます」と解説の結城聡九段。

 白は24、26と右上で根拠を得たが、黒の次の一手にしびれてしまう。

(内藤由起子)

 消費 黒:53分 白:28分 (持時間各5時間)

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