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 「尻に火がつかないと燃えない先生」

 羽根の特徴を表すならこれ以上のものはないと思う。数年前、羽根の所属する日本棋院中部総本部の若手から聞いた。本人もタイトル戦の最終局の緊張感が好きと語っている。5期連続、通算7期目の今期リーグは開幕から黒星を二つ並べた。前期も2連敗スタートだったが、そこから巻き返して計4勝をあげた。エンジンがかかるのはこれからか。

 リーグ4期目、前期挑戦者の河野の成績は安定している。過去3期とも6勝2敗だ。今期の1敗を加えるとこれまで喫した黒星は七つ。内訳は高尾紳路に3、羽根に2、井山裕太、山下敬吾に各1と七大タイトル経験者にしか負けていない。取りこぼしが少ないということだろう。

 黒3のケンカ小目から5のカカリはよく見かける。ただ、直後の黒7の一間ジマリは相当に珍しい。

 右下黒9のカカリ一本と左上黒11のカケは実は密接に関連した手段。黒9を打たず単に11にカケると白14、黒12、白Aと抵抗されて打つ手に困る。

 「先に黒9、白10の交換があれば、次に黒Bのカカエを見て、黒Cがシチョウアタリになります。黒9はシチョウアタリの準備工作です」と解説の大場惇也七段。河野は羽根の狙いを察知して白12のグズミを選択。白22までテンポよく進んだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:23分 白:32分 (持時間各5時間)

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