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 「四天王」として並び称される38歳の高尾紳路天元と羽根直樹九段の一戦は、今期リーグの最年長対決。高尾が十段防衛戦に追われていた4月18日の土曜日に打たれた。

 「僕もベテランと言われるようになった。若手からひいひい言わされ、冷や汗をかいています」。高尾は本局の前夜、新たな挑戦者決定方式に模様替えした棋聖戦のパーティーの席上で、こうスピーチしていた。

 リーグ最年長が38歳というのは、40年にわたる名人戦の歴史で最も若い。ベテランという響きが高尾や羽根に適切かどうかは別として、30代がベテラン扱いされるのは、囲碁界全体が若返っている証拠ともいえるだろう。

 1991年の同期入段。では、そのベテラン2人の戦いをじっくりと見ていく。

 解説の金秀俊八段は序盤戦を「最近の常識がつまった碁」と評した。カカリよりもシマリを優先した黒7、白8はいかにも現代的。味気なく白12とノビた一手も近年よく見るようになった。

 金「白12は李昌鎬九段(韓国)が何度も打って広まったと記憶しています。昔は白13と割り込まなければ碁じゃないという感じでした。例えば15年前とくらべても考え方はだいぶ違ってきています」

 黒15に白16はひとつの形。白A、黒20、白Bと受けるのは黒Cと封鎖され、白がつらすぎる。

(伊藤衆生)

 消費 黒:26分 白:39分 (持時間各5時間)

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