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 混戦模様の名人戦リーグ。後半に入って、トップグループによる星のつぶし合いが始まっている。

 前ラウンドの5月、河野臨と黄翊祖は明暗を分けた。河野は山下敬吾との1敗同士の対決を制した。今年、本局までの公式戦成績も17勝4敗と好調を維持している。

 黄は高尾紳路との1敗対決で敗れた。開幕前、黄は「碁の調子が少しはましになってきた」と控えめながらも充実ぶりを口にした。4月には村川大介を破って一時は暫定トップに立っている。2敗に後退したとはいえ、挑戦の可能性がなくなったわけではない。

 6月4日、日本棋院本院「流水の間」。挑戦権を目指す両者にとって、当然ながら大事な一局だった。

 四隅を占めた最初の4手がすべて小目という立ち上がり。河野は1分の少考で左上黒5へカカった。ただ、右下に黒石があるため、いまカカるなら左下黒13のほうがふつうに見える。「このカカリだけで、少し変わった雰囲気になりますね」と解説の林海峰名誉天元。

 右上黒7、9のツケ引きに白は10とカケツぐ。手を抜いて、たとえば黒5の一子をハサむなど何か仕掛けるのも考えられる局面だったが、黄はゆっくりした進行を選んだ。

 先に動いたのは河野だった。黒19の打ち込み。ここから険しくなっていく。

(内藤由起子)

 消費 黒:25分 白:20分 (持時間各5時間)

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