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 6月25日、王座の村川が、日本棋院東京本院に出向いての一戦。相手は前期挑戦者の河野だ。名人戦はリーグ内のシード順位がものをいう。だからタイトル保持者といえども、本拠の関西棋院で打つことはできない。

 本院では原則として最も格上の棋士が「幽玄の間」で打つ。村川王座の棋士序列は、大三冠(棋聖、名人、本因坊)の井山裕太に次ぐ第2位。井山の対局はなく、河野―村川戦の舞台にこの最上級の和室が用意された。

 初手からテンポよく進む。黒7は右上とのバランスを見た打ち方だ。村川はノータイムで白8とヒラく。村川は昨年、似た局面を、黒の立場で経験していたという。しかしその白8は、解説の趙善津九段の好みではなかったようだ。「相手の注文をはずす打ち方。こういうのもあるのでしょうが、黒は9とカケれば不満なし。私は、14までの白が隅にこもっていて気分がよくないと感じます」

 黒が左下15のカカリから右下を17とシマった場面。村川は13分考えて白18から20とハサんだ。黒二子を攻める態度だが、なんだかこれまでの方針とマッチしていないのでは、と趙解説者がいう。

 白は位を低く保ってきた。左上には黒の厚みもある。戦いは起こさず、穏やかな局面を目指せば方針は一貫している。例えば20で白A以下符号順にGまでだ。

(内藤由起子)

 消費 黒:4分 白:21分 (持時間各5時間)

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