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 藤沢秀行名誉棋聖門下の両者が7月2日、対照的な立ち位置で本局を迎えた。4勝を積み上げ、35期以来の七番勝負登場を視野に入れる38歳高尾に対し、23歳金沢は6月に5敗目を喫してリーグ落ちが決まっている。

 流れに乗った棋士がいれば調子の出ない棋士もいてあたり前。リーグ終盤にはこうした組み合わせが増えてくるものだ。

 ただ、長く観戦をしているとおもしろい傾向を感じる。勢いに差はあっても、それがそのまま盤上に現れるわけではない。本局も中盤以降、何度も何度も優劣が入れ替わる。

 黒3、5のシマリは珍しい。同じシマリなら、黒A、Bの向きを選ぶのが一般的だ。

 「白がCの割り打ちではなく6とカカったのは左下白4の小目が関係しています。もし17の星に白石があると、右上が実戦通り進んだあと、黒Dのカカリが絶好。大きな黒模様ができます」と解説の張豊猷八段。

 ただし左下で白16とツケたため、黒17、19のナダレがピッタリ。結局、黒が右辺から下辺にかけて勢力を張る展開になった。

 白は24と下辺を割って26とツメる。この2手から、左下黒にプレッシャーをかけることで、右側の黒模様を制限したいという金沢の狙いがうかがい知れる。白26はEが自然に思えるが、逃げるだけのふがいない手に映ったか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:25分 白:29分 (持時間各5時間)

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