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 挑戦権へ、一斉対局2局目は首位同士の山下―黄戦だ。河野臨、高尾紳路をあわせた4人が首位に並んで迎えた最終戦。河野の勝敗を読者はすでにご承知(第33局)だろう。

 対局前の状況を整理する。河野と高尾の両方が負ければ、本局の勝者が名人挑戦者になる。つまり大一番だ。ただ、リーグ内序列が最下位の黄は、序列2位の山下と違って自力挑戦の可能性がなかった。勝っても、河野と高尾の一方には負けてもらわないと、プレーオフ(序列上位2人が出場)にすら進めない。

 ともあれ、両者は盤面に集中するのみだ。

 右下黒7のハサミに山下は白8とトビ、左上10のハサミを急ぐ。早くも見たことのない立ち上がりとなった。

 白16はこの一手だろう。封鎖されてはたまらない。「黒17のスベリは珍しいなあ」と記者室で検討する小松英樹九段がいう。

 17ではなく黒22と押すのがこういう局面の常道だ。白がAとノビれば黒Bで白Cの守りを強要。相手の形を崩すことができる。なので黒22には白Bとオサえる。続いて黒Aに白はD、黒E、白F、黒G、白Hと隅で治まることになる。この変化を黄は白の稼ぎが大きいと判断し、避けたのだ。解説の潘善琪八段は「僕は黒が厚くて不満がないと見ます」。

 実戦は白22、24と二つ押されたのが痛い。黒は嫌な感じだ。

(内藤由起子)

 消費 黒:34分 白:39分 (持時間各5時間)

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