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 挑戦者争いの結末がどうなったか、読者はご存じに違いない。それを踏まえてもう一度、7月30日の最終ラウンドが始まる時点に戻っていただこう。

 例年以上の大混戦だった。挑戦の望みがあるのは5勝2敗の河野臨、山下敬吾、高尾紳路、黄翊祖の4人。ただしリーグ内の序列が影響して高尾と黄は他力頼みだ。高尾は自身が勝っても、リーグ順位が上の河野と山下に勝たれると、プレーオフに残れない。

 それぞれが挑戦者になる確率は分母をそろえて、河野16分の4、山下16分の5、黄16分の4、高尾16分の3。確率的には高尾が最も不利という。

 「自力がないので気楽だった」と高尾は語るが、どうしてどうして。対局前から扇子を強くにぎりしめ、早くもエンジン全開か。

 村川大介の黒番。黒9とカカってから11とツメるのは近年流行の手法。対して白12、14は高尾好みの選択だ。白12で単に16と三々にコスむと、黒A、白B、黒Cと塗りつける定石へと進む。実戦は封鎖を避けて三々の要点を占めた。ただし右辺の黒は13、15の好形。いいことばかりではない。

 シマリから両翼を広げた黒陣に白20は消しの常用手段。黒21の受けも理解できる。分かりにくいのは黒23と白24だ。「黒23は工夫しましたね。私ならノータイムで黒Dにハネる」と解説の武宮正樹九段。

(春秋子)

 消費 黒:40分 白:35分 (持時間各5時間)

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