[PR]

 40年の歴史を持つ名人戦は初めて佐賀県にやってきた。有明佐賀空港から車で佐賀市中心部を抜け、西北の山間を1時間ほど行くと古湯(ふるゆ)温泉に着く。紀元前3世紀、中国秦の始皇帝の命で東方に不死の仙薬を求めたとされる徐福が、この地で温泉を発見したとの言い伝えがある。

 対局場は「古湯温泉ONCRI/おんくり」。温泉のおんと、厨房(ちゅうぼう)を意味するくりやを合わせた造語とか。恩をおくるという意味もあるらしい。3階の対局室の南側は大小の石と苔(こけ)を配した日本庭園。向かいは緑の山々。対局者はすばらしいながめをたたえることしきりだった。

 さて第1局はいかがでしたか。挑戦者の攻めを名人が巧みにかわし、早い段階で優劣が決まったのだが、外野席では珍記録が話題になった。両者の対戦で黒番がなんと7連敗中なのである。どちらも黒番が苦手とは思えず、単なる偶然だろう。この第2局は名人の黒番。珍記録は続くのか、それともストップするのか。

 17日、未明までの強い雨があがり、晴れ間が広がった。黒1、白2を打って報道陣が去ると、両者同時に上着を脱ぎ、早くも戦わんかなの構え。

 黒7までは流行の布陣。右上の定石のあと名人は黒15と走る。黒Aのツメも好点だが、15もAに劣らず実戦例が多い。

(春秋子)

 消費 黒:21分 白:2分 (持時間各8時間)

[ 次の譜へ ]