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 リーグ初参加、平田智也の初戦だ。

 昨年12月3日の朝。平田は風邪気味ということもあって、いつもより30分ほど早く家を出た。ところが電車のダイヤが大きく乱れ、平田も巻き込まれてしまった。日本棋院本院「流水の間」に到着したのは、対局開始1分前。ぎりぎり間に合った。息を切らせて入室した平田の顔色は青白かった。

 黄翊祖は平田よりも1分ほど前に着席。慌ただしい雰囲気の中、対局開始のブザーが鳴った。

 黒7の二間高バサミに白が8と大ゲイマにカケる。黒9、11のツケノビから定石ができた。白12で18にブツカり、黒13、白12、黒19、白26、黒30、白Aも有名な定石だが、現在は実戦の黒21までが主流といえる。

 「下辺の幅がよく、この配石では黒が打ちやすいと思います」と解説の潘善琪八段。あらかじめ左下に黒5のカカリがあるので、8の一子を分断されると白がよくないのだという。白は8ではなく、19のツケや30の二間トビなど、他の手を選択すべきだった。

 白24と大ゲイマに受けたのは工夫の一手。将来、仮に白Bのツケ以下符号順に黒Iまでとなれば、24は白Jの小ゲイマにあるよりも働いている。

 黒29と白一子を制して下辺は確定地。黒に不満のない立ち上がりになった。

(内藤由起子)

 消費 黒:37分 白:50分 (持時間各5時間)

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