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 きょうの譜には山下の棋風がよく表れている。本木解説者は下辺を割り打ったような白36を「力強い」という。

 白36には黒37から39の打ち込みが容易に想像できるという。山下は白42とマゲ、左下をぐいぐい押す。白44、46、48、54と4回も押した。黒は45以下、自然に左辺方面へ進むことができる。こんなにも押すのは「車の後押し」の利敵行為のようにもみえる。

 本木「普通は考えづらい選択。山下さんは下辺の黒の勢力圏の中で、黒を破壊してしまおうとさえしています」

 左辺の損には目をつむって、下辺で戦うための壁をつくったのだ。しかし黒57に白58、60が省けず、下辺の白数子が弱い。

 本木「黒は参考図の1の攻めがよかったと思います。以下黒7に白は包囲網を突破できません。白に生きてもらってから黒13にまわれば、実戦よりだいぶいいでしょう」

 黒7に白aと脱出を試みるのは、黒11、白b、黒cが厳しい。

 黒61、63の攻めには白64とさばく余地があった。

(伊藤衆生)

 消費 黒:1時間53分 白:1時間15分 (持時間各5時間)

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