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 河野は1敗、内田は2敗。いまだ勝ち星のないふたりが、2月25日、日本棋院本院「幽玄の間」で対戦した。

 黒番の内田はタスキの布陣から、5とカカり、7とハサむ。黒が9とケイマに構えたところで、河野の手が止まった。

 左上の形は実戦例が多い。リーグ第5局の黄翊祖八段―羽根直樹九段戦でも現れ、白10、黒11、白Aサガリのあと、黒番の黄が手を抜いて他へ転じた。その対局で蘇耀国九段が黒有利との見解を示している。本局の白番・河野が考え込むのもうなずけた。

 10分を費やした河野は白10のコスミツケだけを決めて手を抜き、上辺12のヒラキにまわった。「手抜きも、シチョウがいいときにはよくある手法です」と解説の秋山次郎九段。シチョウとは、黒17、白18、黒19、白20、黒21、白23に続く黒22のことだ。

 内田は23分で黒13とカカる。黒15、白16と換わってから黒17、19を決行した。

 白16と応じられると黒15はシチョウアタリになっていない。ならば白は23とオサえられる理屈だが、河野は白22を選択した。

 なお、黒15は悪手になる可能性が大いにある。そもそも、逆の黒14からカカって白13に受けさせれば、シチョウは成立していた。のちの進行を見ても、右辺に展開しておくほうがよかった。

(内藤由起子)

 消費 黒:47分 白:28分 (持時間各5時間)

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