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 東京・市ケ谷の外堀沿いに咲き始めた桜が雨にぬれる3月24日、第4ラウンド最後の対局が行われた。

 中盤に入ったリーグの星勘定が微妙だ。とくに挑戦者争いの本命に推されている山下敬吾。高尾紳路を先頭に張栩、村川大介が無敗で突っ走るだけに、ここで負けるようだと脱落を意味する。4年ぶりのリーグの内田は、状況がもっと厳しい。悪くても前回の2勝6敗以上の成績を残さなければ、進歩してないじゃないかといわれかねない。挑戦レースに残りたい山下も、リーグ落ちを免れたい内田も、とにかく負けるわけにはいかないのだ。

 序盤の駆け引きが面白い。黒9に注目。これは黒17のツケが狙いになる。解説は前局に続き林海峰名誉天元。

 「黒17を防ぐためなら、ちょっと打ちにくいけれど白Aとノゾいて黒Bにツガせ、白Cとトブおだやかな打ち方がある。しかし内田くんは黒17とこられてもいいと見たんだね」

 そこで白10を急ぐことになる。黒11から15は400年前の初代本因坊算砂の時代からある利かし。なお、京都・寂光寺の僧だった算砂を「さんさ」と碁界では読んできたが、正しくは「さんしゃ」であろうと現住職から教えていただいた。

 黒17、くるべきものがきた。内田は2分の少考で白18。かねて用意の変化技だった。ここから戦いが全局へと広がる。

(春秋子)

 消費 黒:10分 白:25分 (持時間各5時間)

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