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  村川はずっと山下を苦手にしてきた。昨年までの成績は2勝9敗。中でも、棋聖戦挑戦者がかかる大一番で3年連続の負けを喫したのは痛恨だろう。ところが今年の5月にあった碁聖戦挑戦者決定戦で山下を破ると、その8日後には棋聖戦リーグでも勝利した。

 ここ1カ月で3度目の顔合わせとなった6月16日。リーグ1敗でトップグループを走る村川が勢いに乗るか、2敗で追う山下が止めるか。リーグ山場の一局は、日本棋院本院で打たれた。

 黒番の山下は序盤から意欲的だった。

 白6のカカリに黒7と一間に高くハサんだのは珍しい。「白は8と三々に入るのが相場。他は考えにくく、黒としては作戦が立てやすい長所があります」と、解説の溝上知親九段。7は黒16と受けるのが主流で、ハサむとしたらAやBの二間が多いという。

 黒17のカカリに白が18とハサむと、山下のペースが急にスローダウンした。

 白20のハサミに、山下は10分考えて黒21とツケ、さらに29分考えて23へ。左辺を凝らす作戦だ。

 しかし溝上解説者は「右辺に黒模様がありますので、黒21とツケて白22とノビさせた交換はマイナスです」と、山下の趣向に不賛成だった。

 山下は昼の休憩を挟んで34分を投じ、黒25と押した。

(内藤由起子)

 消費 黒:1時間33分 白:27分 (持時間各5時間)

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