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 序盤の見慣れない手を新手と書いていいかどうか、常に悩ましい。新手と断定して、棋士や事情通の読者から、中国や韓国で打たれていますよと注意されたことがあった。

 黒9までは何の変哲もない立ち上がりとして、白10が珍しい。Aの一間やハザマをあけるBに比べて頻度はがくんと下がるが、最近時おり目にする趣向である。

 問題は黒11だ。尋ねた棋士全員が「見たことない」「新手でしょう」という。そこで一応新手と呼ばせてもらおう。一応と予防線を張ったのは、本局以前の実戦例があるかもしれないからだ。

 白10に対してこれまでは黒Cにツケ、白D、黒E、白F、黒Aとなる例ばかりだった。しかし羽根直樹は「ちょっと不満」と思ったから、あえて変化したのだろう。

 両者3勝3敗で迎えたセミファイナルラウンド。山下敬吾はリーグ落ちの心配がある半面、わずかながら挑戦者の可能性も。リーグ内の順位が下の羽根は残留をめざしての厳しい戦い。本局を含めて残り2局を連勝しなくては安全圏とはいえない。解説は高木祥一九段がつとめる。

 高木「黒11の善悪はともかく、白12がふっくらしていい感じでした。黒13がどうでしたか。黒Gと割って次にHとカカれば一人前。それを嫌って白Iなら黒Jにツケるのも有力でした」

(春秋子)

 消費 黒:22分 白:17分 (持時間各5時間)

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