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 小林光一名誉名人が名人戦リーグ在籍中に語っていたことを思い出した。

 「最終ラウンドのころには反省と後悔の念でいっぱいになる。どうしてあの一番に勝っておかなかったのだろうと」

 河野臨にとっての反省と後悔は特定の一局ではなく、波に乗れなかった前半の1勝3敗だろう。後半は持ち直したものの、挑戦者候補としては大いに不満だ。反対に村川大介は反省も後悔も無縁だったのではないか。これまでの3期は上位陣にほとんど歯が立たず、リーグ落ちを免れるのがやっとだったが、今期は最終戦まで挑戦の望みをつないだ。高尾紳路に唯一の黒星をつけたのも村川だから、胸を張っていい。

 河野が白4の三々、黒5のカカリには渋い白6の一間受けと趣向したため、一風変わった序盤となった。黒7のツケに白8とハネ出し、10、12の特殊型を選んだのも作戦の範囲だろう。

 難しいことは苦手とおっしゃる読者には、黒13でAにツケ、白B、黒14、白13、黒C、白15のとき、黒26あたりにヒラく簡明型をお勧めする。解説は鋭い切り口の宮沢吾朗九段。

 「白20はやや打ちにくい。白28までは位の低いのが不満です」

 では解説者ならどうするのか。最終譜で紹介しよう。黒29を省くと、白Dの一発で死にとなるのは初級詰碁の常識だ。

(春秋子)

 消費 黒:25分 白:14分 (持時間各5時間)

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