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 井山裕太名人への挑戦へあと1勝と迫っていた高尾の最終戦。開始20分前、記者が日本棋院本院の「幽玄の間」に入ると、高尾はすでに下座に着いていた。

 盤上も拭き清められ準備万端、整った様子。本局に負けても最低でもプレーオフ出場の権利がある高尾。何も置かれていない盤上を難しい顔をして見つめる姿から、ここで決めようという強い思いが伝わってきた。

 先番の高尾は右上黒1の星から右下を3、5と一間にシマる。黄は白6のシマリから8と割り打った。あれ、黒1、3、5の陣形のときは、白8ではなくAとずらして割り打つのがいいといわれているのではないか。

 実戦のように黒9とツメられ、11から先手で圧迫されるのは「少しだけ白が悪い分かれとされています」と解説の潘善琪八段。黄は不評は重々承知の上で「やってみたかった」という。すでにリーグ残留が決まっているので、ある意味気楽。試したいことにチャレンジしたのだろう。

 ところで、白が悪いというのは、どの程度のものなのだろうか。潘解説者は「2、3目くらい」だという。コミを2、3目もらえたら、白8から20を打ってもいいという感覚なのだそう。

 黒は21とヒラいて、全く不満のない構え。白は22、黒23の利かしを先手で打てるのが、唯一の自慢だ。

(内藤由起子)

 消費 黒:7分 白:10分 (持時間各5時間)

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