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 対局場の「角上楼」がある田原市福江町は、かつて漁師相手の料亭が数十軒立ち並び、多くの芸者衆でにぎわったという。現在はそんな面影はなく、静かな住宅街である。

 いまのところ、盤上もじつに静かだ。原因は力をためた白28にある。黒も29と備えるくらいのもの。白30、黒31と大場を占め合って、波風は立たない。象徴的なのは地にからい白32だった。これでAと肩を突けば少しはにぎやかになるが、挑戦者は動かない。

 黒33に対する白34も一貫している。参考図の白1とオサえれば、黒2の切り違いがくる。以下黒14までとなる競り合いを嫌ったのだろう。

 伊田解説者「いったん力をため、あとは軽く消す挑戦者の作戦でしょう。白36、38もその方針です。しかし黒39が好点なので、白Bと押し、黒C、白39、黒A、白Dと封鎖するのも有力でした」

 解説者は両対局者と縁が深い。昨年は高尾から十段位を奪い、今年は井山に奪われ、七冠独占を許したのはご存じのとおりだ。

(春秋子)

 消費 黒:51分 白:1時間1分 (持時間各8時間)

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