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 白40とカカられたら下辺の白二子をターゲットに、どうしても黒41とケイマにあおりたくなる。以下白46まで最も無難な分かれだ。

 波風の立たない盤上はここまで。黒47のノゾキから49のカドで攻勢を示し、一挙に激しくなった。白50、52はコウ狙いによるさばきである。

 速い進行だ。白52までが午前の部。昼食は名人がすし、挑戦者は天ぷらうどんだが、挑戦者はほとんど口にしなかったという。

 伊田解説者「黒53は気合が入ってますね。黒Aのノビでも不都合はなく、白Bの逃げには黒Cと大きく攻める調子があります」

 挑戦者が活躍し始めた20代前半、「高尾を相手にコウをやって、幸せになったやつはいない」とよくいわれた。重厚な棋風ゆえ、コウダテが足らず、はね返されてしまうとの意味だろう。

 名人は敢然と黒53にアテ、白54のコウを誘った。コウをやるほうが勝利への近道と判断したか。

 コウダテの具合が難しい。損コウでは幸せになれない。黒59のノゾキがいいコウダテだった。白60と右側に響かせれば、将来黒Dがあって隅に甘い。といって白Eは利かされだ。挑戦者は白Fも考えたという。

 黒71とハネ、コウの価値が大きくなった。幸せになるのはどちらか。

(春秋子)

 消費 黒:2時間35分 白:2時間9分 (持時間各8時間)

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