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 黒71とハネてコウの価値が大きくなれば、白AやBと切っての大コウは仕掛けられない。黒73にコウを取られ、どんなコウダテにも黒Cとぶち抜かれ、上辺一帯は目をおおいたくなる惨状だ。

 そこで挑戦者は白72と切る。コウダテづくりを兼ねた味つけである。このころ、検討陣は物騒な変化の研究に余念がなかった。

 白76のコウ取りに対して、参考図の黒1とアテ、3とふたをする大技だ。断点が多く、バラバラに見えて、白がどうとがめるか難しい。白4、6と切り、8、10とコウを移すのが最善か。しかし白12に黒13(8)とツイでコウを解消し、白14と抜かせてしまう。黒15と切られると、白16と切っても18と逃げなくてはならず、黒は19、21で大もうけではないか。外側の黒が取られるとは考えられず、黒がやれるとの結論だった。

 黒77の考慮時間は28分。「図もちらりと考えたが、決心できなかった」と名人はいう。かくて大変化は幻に終わり、黒は別のコースを進むことになる。

(春秋子)

 消費 黒:3時間12分 白:3時間19分 (持時間各8時間)

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