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 1日目の終わりが近づき、記者は気がかりなことがあった。封じ手を棋譜に書く場合、コウ取りとかコウツギをどう表記するかだ。

 4年前の第37期第1局(山下敬吾―羽根直樹戦)で、封じ手を書いたあとの羽根にこっそり聞かれ、即答できなかった。コウツギも封じ手候補。しかし前の着手の数字が書かれているから、それを消すわけにもいかない。

 心配無用。名人の封じ手黒83の記載は完璧だった。「9―五 コウ取り」と棋譜の空欄に書き込まれ、その地点まで矢印をつけてあった。

 2日目は秋雨前線が弱まったのか、時折薄日が差した。

 挑戦者は白84をコウダテにつかって86と抜き返す。この84は白Aのノゾキをなくして評判がよくなかったが、黒87とあやまらせてから白88とツケる調子を求めたのだろう。

 黒89では参考図の1、3と出てから5と戻ることもできた。△五子がひどい形なので、黒が悪くないと検討陣。しかし名人にはもっと大きな狙いがあった。

(春秋子)

 消費 黒:4時間49分 白:3時間27分 (持時間各8時間)

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