[PR]

 16分をかけて、挑戦者は白2と黒模様に踏み込んだ。いくらプロでも16分ではすべてを読み切れるわけではない。ここまで行かなくては勝負にならないという勘と、死んでもしょうがないという開き直りである。

 一方の名人は「ある程度本気モードでした」と語る。ある程度とはことばのあやで、絶対に仕留めるんだとの気迫を示したと解釈したい。双方が覚悟を決め、これより決戦だ。

 黒3に白4は形の急所。白5のノビ、あるいはAの引きでは眼形に乏しく、そっくり取られても文句はいえないだろう。

 当然に見える黒5に名人は33分を費やした。次の黒7はノータイム。2手でワンセットだったのか。

 伊田解説者「黒7の強襲には驚きました。参考図の黒1を決めて3とノビるくらいでもよかったのではないか。白の着点が難しく、仮に4なら黒5、7として、白に手を渡す。白8には攻めをいったんやめ、黒9と右下を制して十分でしょう」

 白aは黒bで生きがないのはプロなら常識にすぎない。7で黒cと本体を攻めても白は危ない、と解説者。

(春秋子)

 消費 黒:5時間54分 白:4時間53分 (持時間各8時間)

[ 次の譜へ ]