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 黒47から白56まで、あっという間にコウができた。上辺、中央に続く第3次コウ争いである。なんたる激闘だろうか。

 この直後に名人の敗着が飛び出す。黒57のアテだ。局後の感想戦で、名人がまっ先に言及したのも57だった。

 参考図の黒1とこちらをアテるのが正しい手順。白2とツグ一手に黒3とアテて白4とツガせ、黒5以下白10でコウだ。

 黒はすぐにコウを争わないで譜のAに向かう余裕がある。いったんは白Bと応じても、黒Cにはもうあいさつできず、白は図の8にコウを取るくらいのもの。そこで譜の黒Dとアテ、白は図のaと取る。右下はまだヨセコウが残るから、黒よしのはずと伊田解説者は断定した。

 黒57を先にした実戦は、63に利いてもらえず白64と取られてしまう。黒65でコウを移した形だが、白68と取り返され、見合うコウダテがない。名人の珍しい手順ミス。秒読みとはいえ6分を残していたので、軽率と指摘されてもやむを得まい。

 黒69に白70と解消されて勝負あった。このあとのヨセは明日の総譜で。

(春秋子)

 消費 黒:7時間54分 白:7時間11分 (持時間各8時間)

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