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 タイミングよく白70とノゾいて微妙な場面に差しかかった。山田解説者はいう。

 「単に黒71とツイだので白72と変化する余地を与えました。黒71では先に73と出て、白A、黒71のほうがよかったかもしれません。続いて白B、黒72、白C、黒Dで互角の戦いです」

 黒73で74に受けると、白B、黒E、白Fと切られて窮する。もっとも坂井は坂井で、白72、74を許しても、黒77が大きいので悪くないと見たのだろう。

 白78のワタリ止めに黒79から85までは相場として、白86のノビに黒87と応じたのが坂井の悔やんだ一着。苦戦の遠因だった。正着は味のいい黒88のツギ。続いて白Gで下辺は破れるが、左上黒Hも負けず劣らず大きく、形勢はなんともいえなかったのである。

 井山は最長の31分を投じて白88と出た。黒がその右にオサえるとどうなるかを、研究熱心な読者のために示しておこう。参考図の黒1は白2以下6、8が好手筋。▲二子は捨てられず、白10から32までとセキにされ(18ツグ)、黒地が消えてしまう。

(春秋子)

 消費 黒:2時間1分 白:3時間14分 (持時間各5時間)

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