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 先月5日の対局。21歳の余は名人戦リーグ初陣だ。所属する関西棋院では「余」を訓読みして「あまる君」と呼ばれているとか。「なんとなくかわいいヤツ」との声を耳にした。なるほど笑顔が人懐っこい。

 黄は4期連続、7度目の名人戦リーグ。若手と思っていたが、この春に一区切りの30歳を迎える。第40期では最終戦まで挑戦者争いを演じるなど、いつタイトル戦に顔を出してもおかしくない。いや、これまで出ていないほうがおかしいというべきか。

 両者は台湾出身。同郷対決は先輩の黄が先に一工夫して見せた。白6と二間に低くハサんだのが目新しい。一路上の白16ならみなさんも数多く打たれた経験があるはず。余は10分間、考え込んだ。

 「先に結論を言うと、黒7のツメがどうだったか。白8にツケられてどうも黒の雰囲気がよくありません」と解説の小松英樹九段。白8に対して黒13のハネは白Aの切り違いが待ち構えている。続いて黒9、白14、黒11、白10、黒B、白15、黒12なら白C以下符号順に黒Fまで、隅に潜ることはできる。しかし白Gなどで黒7の一子が格好の標的になる。黒不満だろう。

 実戦の黒は9の割り込みを選択。白10、12に黒17まで頭を出して抵抗する。黄はがっちり白18。賛否両論あったが、どうやら好手のようだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:26分 白:13分 (持時間各5時間)

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