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 2016年は、山下敬吾にとって満足のいく1年ではなかった。棋聖戦の挑戦者になったものの、1勝も挙げられず敗退。それからは挑戦手合の舞台にも上がれず、トーナメントの優勝もなかった。山下の実績からすれば不本意だろう。新しいリーグ戦が始まり、胸に期すものがあるに違いない。

 連続5期目の名人戦リーグに臨む村川大介は前期、これまで勝てなかった上位陣に勝ち、優勝戦線に絡んだ。今期こそと思っているだろう。

 昨年12月15日、村川のホームグラウンドである関西棋院「吉祥の間」。開始を知らせるチャイムが鳴ると、両者「お願いします」と声をそろえ、頭を下げた。

 黒1から7までは昨年5月、棋聖戦Sリーグで両者が打った一局と全く同じ進行だ。その碁に負けた山下が、黒9で12とオサえずナダれて変化した。

 白22とツメられた場面。局後、山下は「黒23は26のボウシで右辺を広げるのがふつうかな」と首をかしげた。ここは手が広く悩ましい。解説の苑田勇一九段は「黒23で26だと白A、黒B、白Cと下辺を盛り上げられるでしょう」。

 山下は黒23の肩つきから下辺を割り、27、29と白に攻めかかった。「石が張っています。こんな厳しい発想は山下さんならでは」と苑田解説者。

(内藤由起子)

 消費 黒:35分 白:29分 (持時間各5時間)

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