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 「囲碁の日(1月5日)」から一週間後の12日。多くの棋士と同様、張と羽根も本局が打ち初めだった。

 日本棋院本院「清風の間」に、羽根は10分前に着座。3分後、張は上座に着いた。指をポキポキ鳴らしたり、持参した健康器具を取り出して握ったり、動き続ける。盤上を見つめて微動だにしない羽根と対照的だ。開始のブザーが鳴るまでの7分間が長く感じられた。

 黒番の羽根は、3のケンカ小目から5とカカり、7とハサんだ。

 7までの左上は張が黒番で得意とする形だ。「白8で10、黒8、白A、黒Bがよく打たれますが、張さんは黒がいいと見ています」と解説の蘇耀国九段。もちろん羽根はそれを承知の上で、張の対策を実戦で問うたのだ。

 張は白8、10とツケ引いた。黒11の好形を与えるので、避けられてきた手だ。しかし最近はAI(人工知能)の台頭もあり常識が変わりつつある。だめとされていることも、再活用されだしている。

 黒13の一間受けに、張はノータイムで白14とノゾいた。「AIがよく打っていますが、張さんはその前からノゾキと白16のスベリとの組み合わせで悪くないと力説し、実戦で打っていました」と蘇解説者。張は「誰もまねしてくれない」と苦笑いしていたそうだが、AIが真っ先にまねをしてくれたということか。

(内藤由起子)

 消費 黒:16分 白:3分 (持時間各5時間)

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