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 白14の大きな切りに回って、逃げ切り態勢はいよいよ盤石。しかし記者には分からないことがあった。上辺白の死活である。

 清成解説者は「ダメがつまらない限り、心配ありません」という。仮に参考図のように▲が加わり、ダメが一つ詰まって外側が完全なら、黒1から5で二眼はできず、セキにもなりようがなく死にだ。ダメがあいて外側が封鎖された状態だと、白4に続いて黒a、白b、黒c、白d、黒eで黒の後手ゼキである。

 形勢がよければあわてる必要なし。悪ければ何かをやらなければならず、その結果、差が開くのも仕方あるまい。白24は形勢よしの態度。白Aもたまらない大きさだが、村川は動かない。一方の余は動きたい。黒29で34のゲタが本手と分かっても、やらずにはいられなかったのだろう。

 「白30なんてうまいものです。黒33は42がまさるけれど、へこまされた感じががまんできないのでしょう。白34から40で完全に決まりました。相手のあせりを誘って徐々に差を広げる打ち方は、井山さんそっくりです」と解説者。

 白54で余は進退きわまった。

(春秋子)

 消費 黒:4時間51分 白:4時間40分 (持時間各5時間)

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