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 張が元気だ。昨年は30勝17敗。今年に入り、この対局まで3勝1敗。好成績といえるかもしれないが、パワーがみなぎっているように思えたのは勝敗の数字ではない。首回りだ。一回り太くなった印象を受けた。夫人の小林泉美六段と一緒に楽しんでいるというボルダリングの効果だろうか。岩壁を、表面にある石を頼りによじ登るスポーツ。どちらかといえば小柄なイメージが張にはあったから、少々驚いた。

 関西棋院特別対局室、吉祥の間での対局。リーグ序列2位の村川が同4位の張を前に上座へ陣取る。黒1、白2はノータイム。白4の目ハズシは近年の張の愛用品だ。

 白8に注目しよう。本局解説の横田茂昭九段の見解が興味深い。

 「敵の石に対してケイマにカケるのはいい手です。続いて黒A、白B、黒Cと出切られて困らなければ、との条件付きですが」

 黒9なら白10で一歩先に進める。同時に、黒A以下Cの出切りには白Dとシチョウにカカえる選択肢が生じる。この碁のようにシチョウが不利でも問題はない。黒11となれば、白から13の押しがほぼ絶対の利き。すると黒AからCに、今度は白D、黒E、白Fのゲタが成立する。

 黒13に白14は、左下の白を攻められて左辺に黒地ができるのを警戒している。張らしい、足早な石運びだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:22分 白:17分 (持時間各5時間)

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