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 いきなりで恐縮だが、定石から始まった盤上に注目いただこう。黒5のカカリにあいさつせず、白6とこちらにカカったのが黄翊祖の工夫。よくある黒7以下のツケ引き定石は、Aに比べて黒11のケイマがやや珍しいだけで、白14までは定型化されている。

 黒15の両ガカリから白22が最近しばしば見かける定石だ。ところで白22は誰が打ち出したのか。韓国起源説は間違いだろう。記者の不確かな記憶では、若いときの福井正明九段である。

 便利な時代だ。立会人の結城聡九段が関西棋院のパソコンで検索したところ、棋譜とともに1968(昭和43)年、福井正明五段とヒットした。白22はほとんど半世紀前の新手だったのである。しかしなぜか注目されなかったらしく、20世紀はこれ一局のみ。今世紀に入ってちらほら打たれるようになり、現在に至ったわけだ。

 技術面をつけ加えると、22で白Bと固くツグのは、黒Cとコスまれて整形が悩ましい。白22に続いて黒Dと出れば、白E、黒F、白G、黒H、白Cとゆるめて腹は立たない。

 序盤の3ラウンドを終え、中盤の第4ラウンドに入ったリーグ戦は、星勘定が切実だ。初の名人挑戦をめざす村川大介は1敗のまま突っ走りたい。2敗の黄はこれ以上負けるとリーグ落ちの心配をしなければならない状況だ。

(春秋子)

 消費 黒:13分 白:26分 (持時間各5時間)

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