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 日本、中国、韓国のトップ棋士に囲碁AI(人工知能)「DeepZenGo」を加えた初めての国際棋戦「ワールド碁チャンピオンシップ」が、3月21日から3日間にわたって大阪市で打たれた。総当たり戦の結果、日本代表で出場した井山裕太は全敗の4位に終わった。

 それから4日後の27日。井山は日本棋院関西総本部「無量の間」の下座に着いた。つらい思いを引きずってはいないかと、記者は気になっていた。

 「棋士は負けることに慣れていますから」。井山が淡々と話したのは、昨年11月、名人位を失ったその晩だった。その言葉を実証するように、いつもの落ち着いた雰囲気で盤に向かっていた。

 開始を知らせるチャイムの音と同時に、両者一礼。井山はお茶をひと口含んで気息を整え、黒1を星に打ちつけた。黒5、白6、黒7と、お互い小目へカカリ合う。「黒5があるときに白8とハサむのは、見慣れないですね」と、解説の山田規三生九段。左下のハサミに向かうのが普通だという。

 黒9のツケから白22まで定石ができあがり、白は厚みを得た。

 黒23の大斜ガケに、羽根は白24とコスミツケる。白Aとツケるのは、黒にBとハネられる。以下符号順に黒Fまで地を稼がれながら治まられる。左上の白の厚みが働かず、白が甘い。

(内藤由起子)

 消費 黒:17分 白:16分 (持時間各5時間)

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