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 人工知能による対局が注目されるようになってから、中央の評価が大きく変わったと思う。アルファ碁が見せた4線の石へのカタツキはある意味衝撃的だった。中央に相当な魅力を感じているのは間違いない。プロの対局にも人工知能の着手、感性らしきものがどんどん取り入れられている。特に河野はかなりの影響を受けていると聞く。勉強家の彼らしく、真意をとことん突き詰めたいのだろう。

 ところが本局の河野は、中央を二の次にしたかのように白4へ。坂田栄男23世本因坊、趙治勲名誉名人など、レジェンドが愛用したことでも知られる三々だ。この対局をのぞきに来た関西総本部の坂口隆三九段はこんな見方を教えてくれた。

 「人工知能の向こうを張ってというわけではないでしょう(笑)。黒が1、3とタスキの布陣に誘導すれば、白4は昔からよくあります。勢力対勢力の戦いになりそうになく、局面が細分化されヨセ勝負になりやすい。だからこそ地にからい三々なんですよ」

 解説の平田智也七段は、白4は黒を悩ませる意味もあると指摘する。カカるならA方面からか、それともB方面からか。すぐには決断できない。

 実は本局序盤のポイントは白4だ。このポジションが左辺の進行に少なからず影響を与えることになる。まずは井山、黒13とひとひねり。

(松浦孝仁)

 消費 黒:13分 白:9分 (持時間各5時間)

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