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 前局の山下―羽根と同じ5月4日、日本棋院本院での対局。ゴールデンウィークまっただ中の市ケ谷は、青空に舞うツバメが目立つくらいで人影はまばらだった。そんなときにも対局とは、棋士も大変だなと思う。しかしあるベテランいわく、「われわれは毎日がゴールデンウィークのようなものですからね。こんなときこそ働かなくてはいけない」。

 対局前に棋士が立ち寄る記者室でのなごやかなひととき。それが10時が近づくと、一転して表情をこわばらせて、各自の対局室へ消えた。

 河野臨と余正麒は記者室に寄らず、静かに対局開始を待っていた。2人の星勘定は微妙だ。2連勝と好スタートを切ったものの、2連敗と失速した河野は、わずかに挑戦の可能性が残る一方、リーグ落ちのおそれもある。3連敗のあと2勝を返した余は、依然苦しいながらも、ちょっとだけ明るさが見えてきた状況である。

 ともに二連星。星打ちもかなりの変化を遂げたものだ。かつての二連星対決といえば、三連星から辺の星を占め合い、大模様を張るケースがほとんどだった。現在は必ずしも模様をめざさず、黒5、7の内側からのカカリのように局面を細分化する実戦がふえた。

 黒13以下は定型化された運び。厚い白24のツギに対して、河野の次の一手は黒Aではなかった。

(春秋子)

 消費 黒:23分 白:29分 (持時間各5時間)

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