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 井山裕太と山下敬吾の対戦は、ほとんどがタイトル戦の舞台で繰り広げられている。井山が2009年に獲得した初のビッグタイトル・名人は、11年に山下に奪われた。それは井山にとって初の失冠だった。挑戦手合で相まみえること9シリーズ目の碁聖戦五番勝負も、6月下旬から始まった。

 6月5日、日本棋院関西総本部「無量の間」。名人戦リーグでのふたりの顔合わせは、意外にも初めてだ。

 黒1、3と小目を偏らせるのは、井山がときどき試みる布石だ。白10のカタツギのときに「黒11のケイマは珍しい」と解説の結城聡九段。

 広く構えた白12に、井山は黒13で受け方を問う。山下が白14とケイマしたことで、井山は大胆な作戦を思いついたのかもしれない。

 黒15のカカリに白が16とハサむ。ここで8分考えて黒17と上辺に向かい、ただでさえ打ちたい絶好点の白18を許した。

 結城「黒17は決断の一手。打ちたい手を打つという井山さんの信念が表れています」

 黒19、21に白は22、24と出切った。24で白25とマガッて黒A以下符号順に白Dまでの定石は、左上の三々が残って甘く、全くやる気がしないという。

 白30を打たないと、黒Eで17がシチョウアタリになっているという仕掛けだ。

(内藤由起子)

 消費 黒:45分 白:43分 (持時間各5時間)

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