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 河野も羽根も挑戦の可能性がゼロの状況で本局を迎えた。河野はリーグ残留という目標があるものの、羽根はリーグ落ちが決まっている。見方によっては消化試合だ。リーグ戦の欠点ともいえるが、ファンはもう気付いているはず。こういう対戦ほど戦いに終始し、見る者を引き付ける傾向が強いことを。朝10時に始まり、終局は約12時間後。両者の残り時間は1分だった。

 とにかく三々が人気だ。特に河野はお気に入りのよう。先月の村川大介戦では初手三々を用いている。

 黒7のカケに白8、10と出切るのはよく現れる形。しばらく前は黒11でA、白B、黒C、白D、黒Eの定石が当たり前のように打たれていた。少し風向きが変わったらしい。

 「将来、左辺に白が踏み込む場合、白Fがいい調子になる。これを嫌ったのでしょう。もっとも、上辺に黒が仕掛けるときは黒Gのツケが筋。お互いさまなんですがね」と解説の24世本因坊秀芳。

 白12は羽根の工夫だ。これでは白16、黒17、白18と先にハネツぐ実戦例が多い。続いて黒20、白B、黒19の進行に不満を持ったか。現代の盤上は流行が頻繁に移り変わる。

 黒13、15を待って白16からハネツげば黒20、白B、黒19とは打ちにくい。白Hのマゲで、白Cのアテと白I、黒J、白Dの出切りが見合い。これは黒がまずい。

(松浦孝仁)

 消費 黒:20分 白:26分 (持時間各5時間)

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