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 6月ラウンドで井山裕太に敗れ、名人挑戦の可能性がついえた山下敬吾。本局が今期最終戦となる。

 黄翊祖はリーグ残留争いの真っただ中。あと1勝がなんとしても欲しいところだ。

 7月13日は朝から気温、湿度ともに高く、両対局者はスーツの上着を手に「清風の間」に入ってきた。席に着いてもふたりは、しばらくハンカチで噴き出す汗をぬぐっていた。

 上着に袖を通し、気息を整え定刻を待ち、対局が開始された。

 黒番の黄は布石を決めていたのだろう。チャイムが鳴り終わるとすぐに黒1の星に向かい、3、5と二間にシマった。AI(人工知能)のアルファ碁が打ってから頻繁に見る布石だ。「山下さんがよく試みますが、黄くんが打つのは珍しい。意欲的です」と、解説の潘善琪八段。

 白14から戦いが始まった。黒17と右辺の白を重くしてから19とトンで分断。黒は薄い姿ながら右辺と上辺の白をにらむ。

 黒21、白22の交換だけなら、白を強くしているに過ぎず、ないほうがいい。黄は続けて黒Aとケイマするつもりだったが、白Bの受けに攻めが続かないとみて、予定を変更したという。

 左上黒23、25のツケ二段から29に山下は手を抜き、白30とノゾいた。これが最初の後悔となる。

 ここで昼休憩となった。

(内藤由起子)

 消費 黒:33分 白:1時間7分 (持時間各5時間)

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