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 なんと長い道のりだったろう。たどり着くこと自体がまさに奇跡的。しかし、井山裕太はやってのけた。

 碁界初の七冠王になったのが昨年4月。牙城は前期名人戦で高尾紳路によって崩された。六冠に後退。モチベーションを心配する声が多く上がった。井山一強時代が終焉に向かうのではという、過激な説も飛び交った。

 あれから8カ月。彼は走り続けた。王座、天元、棋聖、十段、本因坊の順でタイトル保持に成功。そして7月を迎えた。

 25日火曜日。熊本にて碁聖位の防衛を果たす。六冠を維持し、残るは名人位のみだ。

 28日金曜日、名人戦リーグ。手合は原則木曜日だが、井山の過密日程が考慮された。村川大介を下せば、2敗者が他にいないため、8月の最終ラウンドを待たず高尾名人への挑戦が決まる。井山はついにここまで来た。

 大阪の関西総本部での対局。両者小刻みに時間を使う立ち上がりとなった。大一番にしては速いペースだ。

 白14の三々入りから黒23までは最近よく見かける。続いて白24、26としっかり生きたのは、「様子見の意味もある」と解説の結城聡九段。Aの断点をどう補うかを聞いている。手抜きは考えづらく、村川は黒27のフクラミで応えた。黒Bが一般的だが、将来白27の利きから上辺への仕掛けがうるさいと見たか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:33分 白:13分 (持時間各5時間)

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