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 小松市の粟津温泉は開湯1300年を迎える。粟津温泉の中心部に位置するのが対局場となった「旅亭のとや」である。朝、対局室に入って、おやっと思った。第1局の大阪は地上39階の対局室だったので何も聞こえなかったが、第2、3局はセミの声がにぎやかだった。しかし今回セミは姿を消し、雨に誘われたのか、近くに池があるのか、季節はずれのカエルの合唱。カエルを聞きながらの名人戦は初めてだった。

 予定の行動らしく、黒11のトビはノータイムだった。参考図の黒1と引く定石があるのは読者もご存じのとおり。この場合、臨機応変に白2と押してから4と戻ることになりそうと、解説担当の伊田篤史八段。続いて白aとbを見合いにする要領だ。白2で単に4と戻り、黒2とマゲる従来の定石は白がうっとうしく、採用しにくいらしい。

 伊田「白12にすぐ黒13とオサえたのが珍しい。とりあえずAとでもハサむほうが普通でしょう」

 白14からもう止まらない。黒15、17と二つアテた場面。白は愚形にツグわけにいかず、白18とアテ返して新型への道を一直線に進む。

(春秋子)

 消費 黒:33分 白:44分 (持時間各8時間)

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