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 名人の長考中、耳をすますとカエルの合唱は消えていた。

 12時7分前、名人は軽く会釈して席を立った。7分は自分が負担するとの意思表示である。昼食休憩が終わってすぐ、黒33が打たれた。42分使って33だけを考えたのではない。主に黒35からのさばきに苦心したのだ。

 その35を伊田解説者は「機敏」と評した。何も考えなければ参考図の黒1のカカエだろう。白2に黒3とツイで、下辺は立派な黒地になる。しかし白4方面にハサまれ、黒一子が息苦しい。

 新型から派生した接近戦、まだまだ治まりそうもない。黒35、37のツケフクレに白38のアタリが絶対。これで39に引くようだと、黒Aとカカえて楽をされてしまう。

 黒39、41とアテたタイミングで白42に出るのも絶対。隅に生じたコウが一手で解決できず、ややこしい。羽根立会人と解説者を中心とする検討陣は、先を見通せないでいた。

 黒45と切りを防ぐのに、挑戦者は37分を費やし白46とポン抜く。隅だけでなく下辺にも問題が残ったことをお忘れのないように。

 名人は33分で黒47。これが議論を呼んだ。

(春秋子)

 消費 黒:2時間20分 白:2時間8分 (持時間各8時間)

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