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 黒63とコウをツゲば67までは動かせない運びだ。黒65を打てたのは小さくないプラスだが、生きを余儀なくされた形はつらい。しかし将来の黒Aを楽しみに、今はがまんのときなのだろう。

 白68、70の厳しさに注目していただきたい。▲を小さく取り込もうとする白71や72だと、すかさず黒B、白C、黒Dと決められ、攻めとしては不十分という。実戦は黒71と動いてもらって、上下の両方を大きく攻める態度だ。

 白74も眼形を奪って厳しい限り。白78も同様。ただし検討陣の一番人気は参考図の白1カケだった。黒aは白bとノビ、どこまで行っても黒は眼形がはっきりしない。

 伊田解説者「図の白1に対して、井山先生は黒2とノゾかれるのを嫌ったのでしょう。白3なら黒4とハネ込んで、ここだけで眼形ができそうです」

 許さんぞと徹底する挑戦者。第1局を思い出そう。同じ展開から名人は包み込むようなやわらかさで、気がついたら優劣が逆転していた。その再現を狙ったと書いて間違いあるまい。

 午後5時30分ちょうど、名人は「封じます」といって席を立った。

(春秋子)

 消費 黒:3時間42分 白:3時間25分 (持時間各8時間)

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