【白中押し勝ち】164手完

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 突然の、そしてあっけない幕切れだった。黒163(9の二)でAにハジいてもコウダテがない。白164(14の三)とハネ出され、名人は7分間身動きせず、盤上を見つめたまま投了を告げた。

 「最初と最後にうっかりをやっちゃった」が局後の第一声だった。最初のうっかりとは、49(14の十七)のところのコウを、白にツガれて無条件で死ぬこと。最後のうっかりとは、164に続いて参考図の黒1と引いても、白2、4で取られてしまうこと。じつに単純な見損じだが、うっかりするときはこんなものかもしれない。

 追い込まれた名人。しかし打ち上げの席では明るく振るまった。あきらめないぞという意思表示だ。そして翌朝、一行から離れ京都に向かった。3日後に京都で行われる早碁棋戦の決勝と、気分転換のためだろう。

 読者は次局の結果と挑戦者手合の行方をご存じのはず。その第5局はこれまでの4局を合わせた以上の激闘に終始したと書いておこう。

(春秋子)

 消費 黒:7時間3分 白:7時間9分 (持時間各8時間)