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 井山裕太の名人復帰と再度の七冠制覇、そして囲碁AI(人工知能)の急激な進化の話題でにぎわった一年を見送り、新しい年を迎えた。

 AIについては一流棋士からも「互先では勝てない。二子でもどうか」とか「我々はAIからもっと学ばなければ」との声が聞かれる。そのとおりだろう。しかし人間同士の碁の価値が下がるわけでは決してない。人間はさまざまな感情に左右される。ふるえ、妥協、尊敬、反発……。これがあるからおもしろいのだ。感情の動きをどう伝えるか、私たち観戦記者の責任も今後ますます大きくなるに違いない。

 第43期リーグの開幕戦は、みなさんの打ち初めのようなもの。誰もがいいスタートを切りたい。昨年の山下敬吾は挑戦手合出場が碁聖戦の1回だけ。しかも井山にストレート負け。陥落即復帰の余正麒とともに、今年こその気持ちだ。

 余の黒番。右下の両ガカリ定石で、白16のツギは最近の主流である。白15に割り込み、黒A、白B、黒Cとカケツガせる型はほとんど姿を消した。解説は本因坊戦リーグなど活躍中の小林覚九段。

 「黒23、白24の交換は黒25とワタる前提とはいえ、打ちにくい。白22がくる前の黒19か21で、Dとぼんやり打つのはいかが」

 白26から一挙に急戦へと突き進む。

(春秋子)

 消費 黒:51分 白:27分 (持時間各5時間)

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